1. はじめに
(1)カスタマーハラスメント対策の背景
近年、カスタマーハラスメントは社会的な課題となっています。厚生労働省の「令和5年度職場のハラスメントに関する実態調査」では、過去3年間にカスタマーハラスメントを受けたと回答した労働者は10.8%と、パワーハラスメントに次いで多い結果となっています。
また、東京都では令和6年10月に「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」が制定され、事業者にはカスタマーハラスメント防止に向けた取組が求められています。
当社では、お客様、お取引企業様、インフルエンサーなど当社に関わるすべての皆様との信頼関係を大切にし、ご意見やご要望には誠実に対応しています。
一方で、社会通念上相当な範囲を超える要求や言動により、従業員の人格や尊厳、就業環境が損なわれることは看過できません。
従業員が安心して働ける環境を守り、より良いサービスを提供するため、当社はカスタマーハラスメント防止に取り組みます。
(2)組織的な対応の必要性
カスタマーハラスメントは、従業員個人だけで対応すべき問題ではなく、会社全体で取り組むべき重要な課題です。
従業員が安心して働ける職場環境を維持するためには、現場任せにせず、組織として対応することが重要です。
当社では、統一した対応方針のもと、相談・報告体制の整備や従業員への教育・研修を実施し、組織として適切に対応します。
(3)当社の取組
当社は、「カスタマーハラスメントに対する基本方針」に基づき、すべての従業員が適切な顧客対応を実践するとともに、カスタマーハラスメントが発生した際には組織として一貫した対応を行います。
また、カスタマーハラスメントの定義、基本方針、顧客対応の考え方を定めるとともに、社内体制の整備や従業員への教育・研修を通じて、安心して働ける職場環境づくりに取り組んでいます。
2. カスタマーハラスメントの定義
(1)カスタマーハラスメントとは
当社では、厚生労働省の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」に基づき、お客様、お取引企業様、インフルエンサーなど当社に関わる皆様からの要求や言動のうち、要求内容の妥当性に照らして、その要求を実現するための手段や態様が社会通念上不相当であり、従業員の就業環境を害するものをカスタマーハラスメントと定義します。
なお、カスタマーハラスメントに該当するかどうかは、要求内容の妥当性や、要求を実現するための手段・態様などを踏まえ、総合的に判断します。
(2)用語の定義
【顧客等】
「顧客等」とは、お客様、お取引企業様、インフルエンサーのほか、当社の事業活動に関係し、業務上対応が必要となる方をいいます。
【従業員】
「従業員」とは、役員、正社員、契約社員、アルバイト、派遣社員のほか、当社の事業活動に従事する業務委託先のスタッフなどを含むすべての者をいいます。
【就業環境を害する】とは
「就業環境を害する」とは、従業員が身体的又は精神的に苦痛を受け、就業環境が不快なものとなった結果、業務を遂行する上で看過できない程度の支障が生じることをいいます。
判断に当たっては、従業員個人の感じ方だけではなく、平均的な就業者が同様の状況で当該行為を受けた場合に、業務を遂行する上で看過できない程度の支障が生じると考えられるかどうかを基準として、社会通念や客観的な状況を踏まえ、総合的に判断します。
(3)主なカスタマーハラスメントの例
カスタマーハラスメントに該当する行為の例は以下のとおりです。
ただし、これらは例示であり、これらに限られるものではありません。
威圧的な言動
- 暴力行為
- 暴言・侮辱・誹謗中傷
- 威嚇・脅迫
- 従業員の人格を否定する発言や差別的な発言
- 土下座の要求
長時間にわたる対応の要求
- 長時間にわたる対面・電話・オンラインでの対応要求
- 同じ内容について繰り返し対応を求める行為
- 執拗な電話・メール等による対応の要求
過度・不当な要求
- 社会通念上相当な範囲を超える対応の強要
- 合理性を欠く不当又は過剰な要求
- 過度な謝罪や金銭補償の要求
- 特別な対応や優先的な対応を求める行為
従業員への迷惑行為
- 無断での撮影や録音
- 従業員や関係者の個人情報・画像等の無断公開
- 会社や従業員の信用を棄損する内容や個人情報等をSNS・インターネット等へ投稿する行為
その他
- セクシャルハラスメント
- SOGIハラスメント
- その他のハラスメント行為
- つきまとい行為
- 従業員個人への過度な要求や私生活への干渉
- その他、従業員の就業環境を害する行為
※「SOGI」とは、性的指向(Sexual Orientation)及び性自認(Gender Identity)の頭文字をとった略称です。
3. カスタマーハラスメントに対する基本方針
当社は、お客様、お取引企業様、インフルエンサーなど当社に関わるすべての皆様との信頼関係を大切にし、ご意見やご要望には真摯に耳を傾け、誠実な対応を行います。
一方で、社会通念上相当な範囲を超える要求や言動により、従業員や関係者の人格や尊厳が傷つけられ、安心して働ける環境が損なわれることは看過できるものではありません。
当社は、従業員が安心して働ける職場環境を守ることを最優先とし、カスタマーハラスメントに対しては従業員個人に対応を委ねることなく、組織として適切に対応します。
対応に当たっては、事実関係を十分に確認し、公平かつ適切な判断を行うとともに、必要に応じて管理者への引継ぎ、複数名での対応、対応の終了、サービス提供や取引の見直し等の措置を講じます。
また、悪質な事案については、必要に応じて警察や弁護士等の関係機関と連携し、従業員の安全確保を最優先として毅然と対応します。
4. 顧客対応の考え方
(1)基本的な心構え
当社では、お客様、お取引企業様、インフルエンサーなど当社に関わるすべての皆様との信頼関係を大切にし、誠実かつ公正な対応を基本とします。
ご意見やご要望には真摯に耳を傾け、相手の立場を尊重しながら事実関係を正確に確認し、適切な対応に努めます。
また、カスタマーハラスメントが疑われる場合であっても、感情的な対応や独断による判断は避け、冷静かつ組織的に対応することを基本とします。
(2)カスタマーハラスメントが疑われる場合
要求内容や言動がカスタマーハラスメントに該当する可能性がある場合は、従業員個人で判断することなく、組織として事実関係を確認し、適切に対応します。
また、必要に応じて、対応の中止、サービスの提供や取引の見直し、警察・弁護士等の関係機関との連携など、状況に応じた適切な対応を行います。
(3)顧客等の権利の尊重
顧客対応に当たっては、消費者基本法その他の関係法令を遵守し、お客様、お取引企業様、インフルエンサーなど当社に関わるすべての皆様の権利を尊重した対応を行います。
また、障害者差別解消法に基づき、障害のある方から合理的配慮の提供を求められた場合には、法令の趣旨を踏まえ、過重な負担とならない範囲で適切に対応します。
一方で、顧客等の事情や背景にかかわらず、暴力、暴言、脅迫その他の社会通念上相当な範囲を超える言動については、従業員が受忍すべきものではありません。
5. カスタマーハラスメントへの対応
(1)対応の基本方針
カスタマーハラスメントが発生した場合又はその疑いがある場合は、従業員個人の判断に委ねたり、一人で対応を継続したりすることなく、組織として対応します。
対応に当たっては、お客様、お取引企業様、インフルエンサーなど当社に関わるすべての皆様との信頼関係を大切にしつつ、従業員の安全並びに人格及び尊厳を守ることを最優先とします。その上で、事実関係を十分に確認し、公平かつ適切に判断します。
(2)警察・弁護士等との連携
暴力、脅迫、器物損壊、不退去、つきまといその他違法性が疑われる行為がある場合は、従業員及び第三者の安全確保を最優先とし、必要に応じて警察、弁護士等の関係機関と連携し、毅然と対応します。
また、必要に応じて、サービスの提供や取引の見直し等の措置を講じる場合があります。
6. 社内体制の整備
(1)相談者及び対応従業員の保護
当社は、相談者及びカスタマーハラスメント対応に当たった従業員の心身の健康及び就業環境を守るため、必要な支援を行います。
相談又は報告したことを理由として、人事評価その他の不利益な取扱いを行うことはありません。
また、必要に応じて次の措置を講じます。
- 担当者の変更
- 業務内容又は勤務体制の調整
- 休養その他必要な配慮
- 産業医、カウンセラーその他専門家への相談
- 関係者との接触回避等、安全確保のための措置
(2)再発防止の取組
カスタマーハラスメントの発生後は、発生した事案を検証するとともに、同様の事案の再発を防止するため、以下の取組を継続的に実施します。
① 社内への周知
カスタマーハラスメントは従業員個人の責任ではなく、会社全体で対応すべき問題であることを継続的に周知します。
また、適切な報告及び相談を行ったことを理由として、不利益な取扱いを行わないことを徹底します。
② 事例の検証
発生した事案について原因及び対応内容を検証し、必要に応じて対応方法や運用の改善を行います。
また、カスタマーハラスメントの発生の端緒が、従業員の不適切な言動や対応にあった場合は、その問題点を検証し、必要な改善に取り組みます。
③ 教育・研修の実施
カスタマーハラスメントの発生の有無にかかわらず、再発防止及び適切な対応のため、定期的に教育及び研修を実施します。
④ 対応方針及び社内体制の見直し
発生事例や従業員からの意見等を踏まえ、当社の対応方針及び社内体制について定期的に見直しを行い、必要に応じて改善を図ります。
(3)教育・研修
当社は、経営者、管理者及び従業員がカスタマーハラスメントへ適切に対応できるよう、定期的に教育及び研修を実施します。
研修では、次の事項を基本とします。
① カスタマーハラスメントに関する基礎知識
② クレーム対応の基本
③ カスタマーハラスメントへの対応方法
④ 組織的な対応及び報告・相談体制
⑤ 従業員へのフォロー及びメンタルケア
7. 企業間取引におけるカスタマーハラスメント
(1)ハラスメント防止基本方針
当社は、企業間取引においても、お取引企業様、インフルエンサー、協力会社その他当社の事業活動に関わるすべての皆様との信頼関係を大切にしています。
また、企業間取引におけるカスタマーハラスメントをはじめ、あらゆるハラスメントを防止するため、以下の「ハラスメント防止基本方針」を定めています。
【ハラスメント防止基本方針】
① ハラスメント防止の基本姿勢
ハラスメント行為は人権に関わる重要な問題であり、従業員の人格及び尊厳を傷つけ、就業環境を害する決して許されない行為です。
当社は、ハラスメント行為を決して許さず、すべての従業員が互いに尊重し合い、安全で快適な職場環境づくりに取り組みます。
② 対象となるハラスメント
本方針の対象となるハラスメントは、次のとおりです。
- セクシュアルハラスメント
- パワーハラスメント
- SOGIハラスメント
- マタニティハラスメント
- パタニティハラスメント
- カスタマーハラスメント
- 就活ハラスメント
- その他就業環境を害するハラスメント
③ 対象者
本方針の対象者は全ての従業員です。
役員、正社員、契約社員、嘱託社員、アルバイト、派遣社員その他当社の業務に従事するすべての者とします。
また、お取引企業様の経営者及び従業員、インフルエンサー、協力会社、業務委託先、当社への応募者、インターンシップ参加者その他当社の事業活動を通じて関わるすべての方に対しても、ハラスメント行為を行ってはなりません。
(2)取引先企業に対するカスタマーハラスメントの禁止
取引先企業の経営者、従業員、インフルエンサー、協力会社その他当社の事業活動に関わる方に対するハラスメントは、企業間取引におけるカスタマーハラスメントに該当する場合があります。
すべての従業員は、企業間取引に当たり、当社の従業員に対する場合と同様に、相手の人格及び尊厳を尊重し、自らの言動に十分注意しなければなりません。
特に、取引上の優位な立場を利用して「無理な要求をしない・させない」ことを基本とし、次の事項を遵守してください。
- 相手の人格及び立場を尊重すること。
- 法令、契約内容及び社会通念を遵守し、公正かつ誠実に対応すること。
- 契約内容を超える不当又は過度な要求を行わないこと。
- 暴言、威圧的な言動、過度な叱責又は人格を否定する発言を行わないこと。
- 過度な納期短縮、無償対応、契約外業務等を強要しないこと。
- 取引の停止等を示唆して、不当な要求を受け入れさせないこと。
- 業務と関係のない私的な要求や用務を強要しないこと。
- SNS、メールその他の手段を利用し、相手方の信用又は名誉を傷つける行為を行わないこと。
当社は、適正かつ健全な企業間取引の推進に努めます。
(3)企業間取引におけるハラスメントへの対応
当社と取引先企業等との間でハラスメントが発生した場合又はその疑いがある場合は、先入観や偏見を排除し、関係者のプライバシーに十分配慮しながら、客観的な事実及び証拠に基づき、公平かつ適切に事実関係を確認します。
当社従業員が取引先企業等からハラスメントを受けたことが確認された場合は、従業員の安全及び就業環境を守るため、必要に応じて取引先企業等と連携し、行為の中止、担当者の変更、再発防止、契約内容又は取引継続の見直しその他必要な措置を講じます。
また、当社従業員が取引先企業等に対してハラスメントを行ったことが確認された場合は、取引先企業等へ誠実に対応するとともに、当該従業員に対して必要な指導、教育その他適切な措置を講じ、再発防止に取り組みます。
8. お客様・お取引企業様・インフルエンサーへのお願い
当社は、お客様、お取引企業様、インフルエンサーの皆様からいただくご意見やご要望を真摯に受け止め、より良いサービスの提供と品質向上に努めてまいります。
一方で、従業員をはじめ当社に関わるすべての人が安心して働ける環境を守ることも、企業として重要な責務であると考えています。
そのため、社会通念上相当な範囲を超える要求や言動に対しては、本方針に基づき組織として適切に対応いたします。
今後も、お客様、お取引企業様、インフルエンサーをはじめ、当社に関わるすべての皆様との信頼関係を大切にし、より良いサービスの提供に努めてまいります。
本方針へのご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
以上
制定日:2026年3月16日
株式会社 南青山商事